交通事故によって被害者が怪我をしてしまった場合、加害者からお見舞い金を渡されることがあります。
しかしこのお見舞い金を安易に受け取ってしまうと、後に示談交渉で揉める可能性が出てくることをご存知でしょうか。
そこで今回は、事故の加害者からのお見舞い金は受け取るべきなのか、受け取らないべきなのかについて解説していきます!
お見舞い金とは?慰謝料になるって本当?
交通事故で被害を受けた場合、加害者側が被害者側に誠意を示すため、お見舞いに訪れることがあります。
この時に花やお菓子を持参する人もいれば、現金を渡してくるケースもあるんですね。
これが、いわゆる「お見舞い金」と呼ばれるものです。
しかしこのお見舞い金は、慰謝料や損害賠償金に当てはまるものではありません。
加害者側の意思によってもたらされる金銭となるため、被害者側から強制することもできません。
お見舞い金を受け取ることによって発生するリスクはある?
上記でもご紹介したように、一般的にはお見舞い金が慰謝料や損害賠償金に当てはまる事はありません。
しかし、お見舞い金を受け取ることによって、加害者側から「損害賠償金の一部として支払った」と、後からいわれてしまうこともあるんですね。
このようになってくると示談交渉の際に揉めるきっかけとなり、本来ならスムーズに進むはずの交渉も、なかなか進まなくなってしまう可能性が出てきます。
話し合いが決裂すれば裁判に持ち込まれるケースも少なくないため、結果的に弁護士へ依頼するための費用がかかってしまう可能性も。
また、被害者が怪我をする人身事故では、加害者側に刑事上の責任が問われます。
お見舞い金を受け取ることによって減刑される可能性が出てくるため、被害者側にとって不本意な結果に発展することも少なくありません。
これらを総合して考えると、お見舞い金はできる限り断るのがおすすめです。
お見舞い金に頼らずに経済的負担を軽くする方法!
お見舞い金を受け取る人の心理には、経済的な負担を軽くしたいというものがあります。
怪我を負ったことにより会社を休まなければいけなくなったり、病院へ通うための交通費が必要になったりするからです。
そこでぜひ覚えておいてもらいたいのが、お見舞い金に頼ることなく、経済的負担を軽くする「内払金請求」です。
内払金請求の仕組み
そもそも内払金請求とは、加害者側が加入している任意保険会社に賠償金の一部を前払いしてもらう手続きになります。
損害額が10万円を超えていれば、上限額120万円まで示談交渉の前に支払ってもらうことができます。
ただし、最終的な賠償金を支払ってもらう段階になった時に、前払いしてもらっている金額を差し引いた状態で支払われることを、覚えておいてください。
このような正当な手続きを通して現金を前払いしてもらえば、事故による経済的負担を軽くすることが可能です。
任意保険に加入していない場合は「仮渡金請求」がある
上記でご紹介したのは任意保険会社を通した場合の請求方法ですが、仮に自動車保険に加入していなかったとしても、自賠責保険を使った仮渡金請求があります。
この制度を利用すれば、5万・20万・40万といった金額を怪我の程度に応じて受け取ることができるんですね。
もちろんこちらに関しても、示談交渉の際の損害賠償金から差し引かれる形となることを、覚えておいてください。
まとめ
せっかく持ってきてくれたお見舞い金を断るのはもったいないと感じてしまいがちですが、後のリスクを考えると、受け取らないのが1番賢い選択かもしれません。
安易な気持ちでお見舞い金を受け取り、後のトラブルに発展したケースもたくさんあるため、ぜひ参考にしてみてください。